外壁の種類について

2023年3月4日

今回は外壁の種類について。

家の外壁はデザイン・機能・メンテナンス性で選択することになりますが、
意外と種類が多くて悩ましいものです。

でも家の外側の大部分を占めるので、
見た目にも機能的にも重要な部分になってきます。

まずはじめに知っておきたいのが、外壁は基本的に定期メンテナンスが必要です。
紫外線に常にさらされるのでどうしても劣化するため、コーキング(継ぎ目)部分の張替えや、表面を再塗装をすることになります。

このメンテナンスに費用が結構掛かり、
2階建ての家だと足場を組む事になりますので数十~百万円ぐらい必要になるようです。

外壁の種類によって定期メンテナンスが10~20年ぐらいのものから、
50年ぐらい耐えられるというものまでありますので、
初期コストだけではなくメンテナンス期間も考慮して選択してもらえればと思います。

ということで、今回は外壁の種類と特徴をご紹介。
悩めるあなたにぴったりの外壁を選んでもらえればと思います。
(と言いつつ悩みが増えるだけだったりして)


窯業系サイディング

最近の新築で最も多く採用されているのがこの窯業系サイディングと呼ばれる外壁です。

造りとしては土を窯で焼いたパネルに塗装を施したものになります。

最近では、このパネルの凹凸と塗装がかなり凝ってきており、タイル、塗り壁、木目調等、
あらゆる素材感の商品があります。

木目調といっても、少し離れて見ると全然分からないので家を建てたことがない人には
木材を使っているよう見えると思います。

パネルとパネルは数m間隔で継ぎ目が発生するので、その場所にはコーキング材を注入することになります。

そして、このコーキングの劣化や、パネルの塗装が汚れてくることにより、
メンテナンスが必要になってきます。

近年、コーキングは耐紫外線の強化、パネルも光触媒による汚れにくい加工になってきており、
15~20年持つと言われていますが、かなり環境にも依存する要素なのでなんとも言えないところです。

比較的メンテナンスが必要な外壁種類ではありますが、
初期コストはかなりお安く、デザインも豊富なので人気のある外壁タイプです。

なんと現在の新築の8割弱がこの窯業系サイディングだそうです。

窯業系サイディングの特徴
◯初期コスト安い
◯選べるデザイン豊富
◯多くの人が選んでるので安心感がある
×長期的に見るとメンテナンス費用が高め

金属系サイディング

サイディングという名前ながら、窯業系とは全くちがうのが金属サイディングです。

ガルバリウム鋼板やアルミ等の金属を外壁にも使用した外壁となります。

金属なので熱が伝わりやすいので、家の断熱面では不利になり、
冬の結露や夏に熱くなりやすいなどの問題もあります。

潮風に弱い・台風とかで物が飛んでくると凹むという注意点もあります。

その分、初期コスト・メンテナンスコストはあまりかからないのは良い点です。

見た目にはクールでスタイリッシュな外観にはフィットしますが、
失敗すると倉庫感が出てしまうので、設計さんとよく打ち合わせして使用しましょう

金属系サイディング(ガルバリウム外壁)の特徴
◯初期コスト安い
◯メンテナンスコストも安い
△デザインは好みが分かれるが、選択肢は少なめ
×断熱・表面熱は今ひとつ

タイル外壁

ハウスメーカーがオプションとして力を入れているのがこのタイル外壁です。

ハウスメーカー独自の商品を開発している物もあり、
タイル外壁自体をアピールポイントの一つにしている事も。

そんなタイル外壁ですが、最大のメリットはメンテナンス期間が長いという点です。

物にもよりますが、タイル自体は防汚処理されており、
目地修繕の周期として30年ぐらいとしている物が最近多いようです。

私もセキスイハイムで相談していたときは、タイル外壁にすると+100万ぐらいになるが、
その分メンテナンス費用が安くなるよ、という事でオススメされました。

タイル外壁だと、当然デザインは細かいタイルを敷き詰めたようなものになります。
見た目の選択肢はやや狭いですが、やや洋風で重厚かつ高級感のある外観が好みであれば、色や質感のバリエーションは豊富です。

初期コストは高いですが、メンテナンス費用が抑えられるので、長い目で見ればお得であり、
これからさらにインフレが進めば、結果的にお得度は増すはずです。(保証はしませんぜ)

タイル外壁の特徴
◯メンテナンスコストが安く済む
△デザイン的な幅は狭いが高級感のある外観
×初期コストは高い

塗り壁

昔ながらの壁として今でもそこそこ人気があるのが塗り壁です。

材料的には漆喰や土壁もありますが、
近年ではジョリパッドというアイカ工業の材料が人気のようです。

基本的に職人さんの手塗りとなり、
外壁に目地が一切出てこないので壁面をきれいに魅せるのには一番良い外壁です。

植栽をライトアップして、その影を写したりするというのがよくある魅せ方ですね。

私の家の近所にも2件ほど塗り壁の家がありますが、
どちらも外観にはかなりこだわってるなーというお家です。

その代わりと言ってはなんですが、
初期コスト・メンテナンスコスト的にはあまり有利な点はありません。

ヒビ割れもありえますし、タイルやサイディングのような光触媒の防汚コーティングも期待できないので、
汚れやすいというデメリットも。

あと、職人さんの腕次第なところも不安といえば不安な点でしょうか。
工期も少々長めにかかるようです。

塗り壁の特徴
◯目地の無い抜群のこだわり外観
△良くも悪くも手仕上げクオリティ
×コスト的に有利な部分はあまりない
×汚れやすい

ALC

ALCとは、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で、
高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートの事です。

軽くて地震に強く、耐火性や断熱性にも優れる、徹底的に性能主義な外壁です。

見た目には色々な模様やカラーを選べるので、意外と選択肢は豊富とのこと。

ヘーベルハウスで立てた知人の家がこれでして
目地が無い上に結構ゴツい模様にしていたので、重厚な家に見えました。

水を吸いやすいのが欠点らしく、かなり工程がややこしいとのこと。

ということで初期コストはかなり高いようです。
その代わりと言ってはなんですが、メンテナンスサイクルは長めで済むようです。

ALC外壁の特徴
◯性能の良い外壁
◯見た目の選択肢も豊富
×初期コストは高い

焼板

杉の木を焼いた板を貼り合わせて外壁とする、昔の和風家屋で一般的だったのがこの焼板外壁です。

木材の外壁ごとき、どうせメンテナンス必要なんでしょ?
と思われるかもしれませんが、実はどの外壁よりもメンテナンスサイクルは長く、
30~50年と圧倒的な耐久性を誇ります。

焼いて炭化している層の耐候性が極めて優秀との事。


実は私の実家がこの外壁でして、
約30年経過してますが「さすが焼き板だ、なんともないぜ」って状態です。

家のメンテナンス業者も「あ、焼板でしたか、失礼しましたー」
って具合で退散していきます。

コストは高く、もれなく和風家屋になってしまう外壁ですが、
こんな選択肢も世の中にはあるという事でご紹介しました。

焼板外壁の特徴
◯メンテナンス期間は超長い
◯天然素材
△どうあっても和風
×初期コストは高い
×防火性が低い
×触ると手に色がつく


というわけで外壁各種についてでした。

色々あって迷いますが、あまりこだわりが無いなら
予算に余裕があって外観的に好みであればタイル、
それ以外は窯業系サイディングぐらいの考え方で良いと思います

というのも、ガルバリウム外壁、焼板、ALCはすでによくその外壁のことが分かっている人が採用すると思うからです。

塗り壁なんかは外観優先で選ぶと思うので、これも迷いにくいのではないでしょうか。

ただ、ハウスメーカーや工務店からあまり説明なく外壁を紹介された場合は、
このページの内容が参考になれば幸いです。

次回はミサワホームの外壁についてご紹介します。




家本体家の外観

Posted by pirana