全館空調・不要論
今回はちょっと過激なタイトルです。
前回は全館空調についてのメリット・デメリットを紹介しました。
私としては価格も含めたデメリットを感じたため導入してないわけですが、
一般的なデメリットの他にも個人的な心配がいくつかありました。
今回は完全に私見を垂れ流しているだけなので、
「そんな事ないよ」と言われる部分も多々あると思いますが、よろしければお付き合いください。
今回は全館空調を否定気味に分析した記事なので、
全館空調を導入された方はブラウザバックしてもらえるとありがたいです。
全館空調の心配事
反応が悪いのでは?
長時間留守にして帰ってきた時にエアコンを入れた場合、
家全体の温度が快適になるまで結構時間がかかりそうに思います。
夫婦共働き、子供も夕方まで帰ってこない場合、
一番暑い時間帯の無人の家を空調し続けるのは、コスパが悪そうです。
前回デメリットの書いた電気代のことにも繋がりますが、
エリア的な小回り、時間的な小回りが効かないというのは間違いないかと思います。
昼も夜もずっとONにしておくのが前提なので問題無いという生活スタイルなら良いのですが、
将来的な状況や旅行に行ったときを考えると、
貧乏性のワタシとしてはずっと空調を効かせることにはちょっと抵抗がありました。
ダクト内はメンテナンスできるの?
導入した場合、今後30年40年と、家全体に空気を流し続けるわけですが、
ダクト、基礎、天井の掃除は出来るのか、というのも気になった点です。カビ、ホコリなどですね。
もちろんフィルタがあるから各部屋にはキレイな空気が行くようにはなっていると思うのですが、
そのフィルタはどんな細かい100%キャッチしてくれるのか、というのは不安になった点です。
各部屋の空気の出口にフィルタがついているならだいぶ安心なのですが、
この辺も方式やメーカーによって違うので、気になる方は営業さんに確認するのがオススメです。
常に空気が流れているので大丈夫という回答だったらそれはかなり怪しいです。
空気の流れが無い箇所にカビやホコリが溜まるし、
春秋の空調の流れがゆるい時期に溜まった物が夏冬に一気に出てくることも考えられます。
(メーカーに寄っては数年に一度、大掛かりなメンテナンスで対応する所もあるようです。それはそれでコストがかかりますが。)
普通のエアコンも放置されっぱなしのホース内の汚れをフィルタでキャッチする作りなので同じと言えば同じですが、
使用期間もホースの長さも違うので、エアコンのほうが清潔そう、、、ではないでしょうか?
エネルギー問題に弱い
すでにその兆候はありますが、最近のエネルギー価格高騰で電気代が上がってきています。
太陽光+蓄電池でまかなうなら初期投資で済みますが(パワコン更新費用は必要)、
そうでない場合は今後のエネルギー相場の変動にかなり左右されてしまいます。
あと今後、さらに省エネが叫ばれる時代になった時、
常時家の中の空調を効かせるというのはちょっと罪悪感も感じそうです。
体温調節が下手になりそう
お年寄りには良いシステムと思うのですが、
逆に幼児にとって果たして良いシステムなのかというのは少し疑問もあります。
近年は尋常じゃない暑さのため、真夏の昼間は家で過ごす事も多いと思いますが、
家のどこに居ても冷房が効いた状態で、体温調節機能が子供に備わるのか?という点です。
ノンストレス・無菌状態で育った生き物が弱くなるのは必然で、
どこに居ても快適すぎる状態では発汗・体温調節が育ちにくいのでは、と考えてしまいます。
発汗機能は幼児期で決まるという事もありますしね。
まあ医学的な見地なので素人意見でしかないのですが、快適すぎるのが子供のためなのか、という想いがあります。
これはエアコンを否定しているのではなく、完全に一定温度で過ごし続ける事について心配しているという話です。
特に0~3歳期というのは家で過ごす幼児も多く、最も汗腺が発達する世代をこの環境で過ごすのはかなり心配でした。
不具合時は家全体が暑い
メインの空調が故障した場合、家全体の空調が使えないことになってしまいます。
冬はまだ電気ストーブなどを使えばしのげるかもしれませんが、夏の夜はかなりキツイ気がします。
これが個別のエアコン故障なら布団を持ってしばらく別の部屋に避難して寝られるのですが、
全館空調だと一発アウトですよね。
体感温度の違いをどうするか
私の家の場合、夏場は私がエアコン緩めが好みで、カミさんはエアコン強めが好みという、
珍しい夫婦のパターンです。(大体女性が寒がるんですけど、うちのカミさんは超暑がりなので)
まあリビングに居る限り、設定温度を「もっと下げたい」「もっと上げたい」でモメるんですが、
全館空調となるとどこにいても家族全員でモメることに。
特に睡眠時、各部屋の温度設定は難しくなりそうな気がします。
ただ、この点については最新の全館空調だとある程度調節できる物もあるようです。
湿度のコントロールが大変なのでは?
全館空調をすると基本的に乾燥する側になります。
夏場は良いのですが、冬場は家の中全体が乾くことになります。
加湿器で家全体の湿度を上げるとなると、相当大サイズの加湿器を使うことになるように思うのですが、
それってすごいエネルギーが必要そうな気がします。
一部、外気の水分で加湿する物もあるようですが、
冬場に湿度40~50%にするのは物理的に無理ではないかと思うのですが、どうなんでしょうね?
エアコンの進歩に置いてけぼりになる可能性
エアコンの技術が今後20年30年と同じとも限りません。
どこかで技術的なちょっとしたブレイクスルーが起きた時、
全館空調のメインユニットはその技術を取り入れられるのか?
それとも「いやぁ、同じやつしか付けられないです」って言われるのか?
進歩の内容にもよりますが、ローテクになった物を更新するのに割高だとちょっと納得できないですよね。
この点も小回りの効きにくさがデメリットに感じます。
新築で張り切りすぎてないか
せっかくの新築なので最新の空調をいれてやろう、って実は私も最初検討していました。
最近家の値段が高くなっている中で、
新築にするんだから、昔の家と差をつけたい、来た人に「おおっ」と言わせたい、
なんていう野望も確かにあったんですよね。
でも冷静に考え、コスパとデメリットと心配事が重なって止めました。
基本的に空調が効いてない所にいく場面というのは、お風呂上がりとトイレくらいなものと判断し、
そこに数百万かけるにはコスパが悪すぎるんですよねぇ。
ということで私見てんこ盛りでお送りした全館空調不要論でした。
あくまで個人的な見解ばかりなので、大した問題ではない部分もあったり、
すでに解決されている部分もあるのかもしれませんが、
検討されている方で気になる部分があれば、メーカーに聞いて導入を決めてほしいです。
最終的に不安なのは全館空調を20年以上使って何が起こるか、誰にも分からないという点です。
おそらく20年前には全館空調なんてほとんどなかったはずなので、
20年、30年、何なら50年住んで、全館空調の設備、家へのダメージ、健康への影響、というのが
どれくらいあるのか、統計的なデータが無いのはちょっと怖いと思いました。
こんな事言いつつ10年後ぐらいには全館空調が当たり前になってたりしたら、その時は笑ってやって下さい。
私の思う懸念点なんかも、メーカーも技術進歩してどんどん解決していくでしょうしね。
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