窓の性能って断熱性だけ?

2022年4月1日

今回は窓サッシと、窓形状、性能の違いについてです。
窓の性能はとにかく断熱性を語られがちですが、それだけだと極端な窓選びになるので要注意です。


窓は家にとっての弱点という話を前回しましたが、
断熱性という点に関しては、最近かなり弱点が改善されてます。

ではどんな選択肢があるのか、その特徴も交えてご紹介します。

・窓の開き方 (引き違い、すべり出し)
・窓枠の材質 (アルミ、樹脂、アルミ樹脂複合、木製)
・窓ガラスの枚数

窓の開き方

窓の開き方には、
引違いという昔ながらのスライドして開く窓と、滑り出しというヒンジで開く窓があります。

比較すると、引違いの方はどうしても空気の真ん中の部分が気密性低いので断熱性も低下します。
でも、リビングのメイン窓はやっぱり引違いにしたいですし、場所によって使い分けですね。

窓枠の材質

窓枠の材質は、窓の性能でかなり重要。
アルミ、樹脂、アルミと樹脂の複合、木製なんかがあります。

アルミサッシは熱をよく伝えますので、冬はキンキンに冷たくなり、夏はチリチリに熱くなり、
家の中にもその影響が出てしまいます。冬場は結露もしてしまい、カーテンが濡れたりすることも。
昔の家屋ではよく使われてましたが、最近の新築では流石に減ってきています。



アルミに対して窓枠を樹脂(塩ビ)サッシにすると、断熱性の高い窓になります。
最近の樹脂は丈夫で耐候性も良くなってます。

ただ、アルミサッシに比べると、強度が低いため太い窓枠になります。
太くなると重くなりますし、見た目にもちょっとスマートさに欠けてしまいます。



アルミと樹脂のイイトコ取りしたのがアルミ樹脂複合サッシになります。
窓の外側を丈夫なアルミ、内側を樹脂にすることで、
外の温度を家の中まで伝えにくくしているサッシです。

ただし、樹脂だけのサッシよりは熱を伝えてしまうため、
断熱性だけでいうと樹脂サッシよりは劣ります

アルミは強度や耐候性に優れるため、
窓枠自体を細くできたり、数十年後でも変形する心配はありません

日本の新築では今一番多いサッシの種類かと思います。



最後にあまり見かけないですが、木製サッシです。
北欧の方ではよくあるサッシで、樹脂を少し上回るほど断熱性に優れているようです。

ただし木材ゆえに湿気のメンテナンスが必要で、
部品の精度も年々歪みが出てくるため、スムーズな開閉がしにくくなってきます。
価格も高額で少しマイナーな窓枠になります。

という事で、今現在新築するなら
アルミ樹脂複合サッシか、樹脂サッシで迷うことが多いと思います。

よくこの議論になると、樹脂のほうが断熱性が優れているので樹脂サッシおすすめ、
という結論を見かけます。

たしかに北海道では樹脂サッシが標準だったりしますが、
冬は-20とか-30度の地域なので、
0~-5℃程度の寒さの地域ではちょっとオーバースペックな気はしてます。

アルミ樹脂複合は結露が怖い、という意見もありますが、
外気温が0℃の際、樹脂とアルミ樹脂複合の室内のサッシ表面温度の違いは1~2℃程度です。

1~2℃でも樹脂サッシが優秀とも言えますが、樹脂サッシは、太い、重い、価格も高めです。
窓の重さや枠の太さも窓の性能ですから、バランスか断熱性か、
比較した上で選ぶことをオススメします。

窓ガラスの枚数

窓ガラスの枚数も断熱性に大きく影響します。
1枚の窓ガラスだと外の寒さを部屋に伝えやすくなるので、
よほど穏やかな気候の地域でなければ、複数枚の窓ガラスを使う物がおすすめです。

LIXILからは5層窓という異次元の商品も出てますが、
北海道等の寒冷地で3重窓、それ以外の地域では2重窓というのが一般的です。
断熱性にこだわるハウスメーカーなんかは3重窓を標準にしている会社もあります。

1層が2層になるのは劇的に変わりますが、
3層になっても1→2層程の差はありません。(それでもかなり良くなるのは間違いありません)
窓ガラスの枚数が増えると、窓の重さが増えて操作性が悪くなる事も踏まえて
選ぶと良いと思います。

あと、複層窓は空き巣が窓を破りにくいというメリットもあります。

複層窓の場合、窓と窓の間にガスを充填して断熱性を高めている商品も多いですが、
これは10年20年後にはあまり期待しないほうが良さそうです。

あとは、窓と窓の間のスキマを確保するスペーサが樹脂かアルミかを気にしてみてください。
樹脂のほうが断熱性が良くなります。


というわけで、窓の種類と特徴でした。
ミサワホームの窓は「AZ複合サッシ」というのが標準でして、
LIXILと共同開発して2016年にはグッドデザイン賞を取った窓になります。

アルミ樹脂複合サッシ、2重窓、樹脂スペーサ、細い窓枠が特徴でして、なかなか良い窓です。

熱貫流率という窓の断熱性を示す値も、樹脂サッシ同等レベルの1.9W/㎡・Kと、
大変優秀な窓になっています。

我が家の計画当初、断熱性を重視して樹脂サッシも選択肢に入れてもらえるようお願いした所、
ミサワホームの営業さんからはエクセルシャノン製の樹脂サッシを提案してくれましたが、
樹脂サッシの窓枠の太さが気になったので止めておきました。

リビング窓などは大きい窓にしたので、
軽くて細い複合サッシにしてよかったと思います。

ミサワホームのAZサッシについてはこちらも参考にしてみてください↓