壁工法って良い感じ?

2021年8月14日

木造建築にも大きく分けて2種類あり、
柱で家を支える軸組工法と、壁で家を支えるツーバイフォー(壁工法)とあります。

どういう違いがあるのか、どんなメリットとデメリットがあるのかを紹介します。


軸組工法というのは昔ながらの和風建築でよくある、
柱などの骨組みや梁で作られた建築手法です。


ツーバイフォーというのはアメリカで生まれた、
柱で家を支えるのではなく、箱状の枠全体で建築物を支える工法です。
木造枠組壁工法とも呼ばれたり。

ポイントは壁で支えることなので、以下、壁工法と略します。

ミサワホームのパネル工法もこの手法に近いものですが、
特徴としてはパネルが裏表2面に貼られたり、
高分子接着剤で点ではなく線で強固な接合をされるのが特徴です。

木質パネル工法についてはこちらで詳しく紹介してます。→ミサワホームのいいところ

この壁工法ですが、木造軸組み工法に比べてどんなメリットとデメリットがあるか紹介します。

壁工法のメリット・デメリット

○耐火性能が抜群に良い
○耐震、耐風性能が高い
○高気密、高断熱にしやすい
○工期が短い

×リフォームがしにくい
×湿気がたまりやすい
×間取りの制約が厳しい

◯耐火性能が抜群に良い

木造の中でも壁工法の耐火性能は抜群に良いです。
内部に防火壁を設けており、さらに壁の中で酸素がなくなって燃え広がりにくいみたいです。

火災保険額で比較すると、鉄骨と同レベルの価格帯になります。
金額差は以前紹介したとおり、25万と40万ぐらいの差になるようです。

数多くの統計をとっている保険屋さんが、これだけの違いを出すのですから、
かなり客観的なデータかと思います。

○耐震、耐風性能も強い

面で外部からの力に耐えるので、一般的に台風や地震には強いです。

    パネル工法                  軸組工法


ただ、最近の有名ハウスメーカーの家はどれも強固になっており、
家自体の耐震性比較ばかりをせず、
地盤強化、地すべり、フェンスなどの倒壊リスクなどの総合的な
対策を考えていくのが良さそうです。

◯高気密、高断熱

柱ではなく木材パネルで構成されているため、家がスキマなく木材パネルで覆われており、
気密性や断熱性は高い傾向があるようです。

ただし断熱材や窓の種類と大きさに左右される部分でもあるので、
工法による違いはそこまで意識しなくて良いと思います。

◯工期が短い

パネルを工場で生産し、現地で組み上げるという手法を取るので、
工期は短くなるようです。メーカーにもよりますが、1ヶ月ぐらい短くなる事を期待できそうです。
賃貸に住んでいる場合、家賃が浮いてお得ですよね。


続いてデメリットを。

×リフォームがしにくい

壁で家を支えているため、
数年後に増築して壁をとっぱらうなんてことがしにくいです。
これは建てるときはあまり気にならないのですが、
ライフスタイルの変化に対応しにくいので、最初の計画が肝心になってきます。

×湿気が溜まりやすい

透湿シートという、湿気を逃がすシートを使用するようですが、
それでも壁内に湿気が溜まりやすいとされています。
というのも壁工法はアメリカ生まれの工法で、
湿度の高い日本では湿気が気になる点になります。

×間取りの制約が厳しめ

重要な柱が壁として存在してしまうため、
家1階の中央部分にどうしても壁が存在してしまいます。
柱なら開放的な空間になるのに壁になると閉塞感が出ますよね。


以上が、木造での軸組工法vs壁工法の比較でした。

結果として、私は壁工法を選んだのですが、
間取りの制約は少しあり、階段の両側に壁が来たというのが、
最大の諦めポイントになりました。

リフォームしにくいのは、増築出来るような土地でもないので、問題なしと判断。

強固な家になり、そして火災保険が安くなる、
というのはランニングコストを抑える上で結構大きなメリットと思います。

工法選びというのは
メーカー選定でもかなり重要な要素になると思いますので、
メリット・デメリットを検討して決めてみてください。