ノアヴォク vs ステップワゴン vs セレナ 【2022 ミニバン対決】
去年は各メーカーの5ナンバーミニバンが全てモデルチェンジしましたねー。
車のモデルチェンジサイクルって最近長いので、
同じタイミングで一斉に変わったのは珍しいですよね。
私も次の車はミニバンかなー、という事で、
ノア・ヴォクシー、ステップワゴン、セレナと、すべての車に興味津々で情報収集もしてたりします。
すべての車に試乗したわけではありませんが、
わりと細部までじっくり検討したので個人的な感想を書いてみました。
自動車のニュース記事みたいな忖度は一切なしで、
ダメ出しもいっぱい書くつもりなので、この3車種のオーナーさんはブラウザバックしてやってください。
あくまで個人の感想です。
外観について
ノア・ヴォクシー
今回のモデルも、ノアとヴォクシーで大きく違う見た目となってます。
選択肢を提示できるのはトヨタの強みですね。
ノアの方は先代モデルを進化させたと言うか、すこし押し出しを強めにした感じです。
最近の流行りからすればこれぐらいは大人しい部類になるのかもしれませんが、結構いかつい見た目になってます。
出典:トヨタ自動車
わりと白黒以外のシルバーやレッドのような色も似合いますね。
ノアの方の見た目は可もなく不可もなくで個人的には程よいイカつさかなと思ってます。
見た目は75点ぐらいですかねー。
一方、ノアが普通っちゃ普通な分、ヴォクシーはかなり攻めたデザインで出てきました。
フロントの半分ぐらいがグリルというのは斬新ですね。
ただ、グリル形状は台形でもなくほぼ四角になっているのでプレスラインの流れや繋がりもなく、
ズバッと切った断面という感じ。
で、それがフロントの大部分なのでちょっと単調な印象です。
ライト周りやフォグランプとかの造形は良いんですけどねー。
ヴォクシーは先代が結構良いデザインだったので、今回の単調なデザインはちょっと残念。
個人的には50点ぐらいです。
ステップワゴン
エアーとスパーダという2ラインナップでノアヴォクに対抗。
ノアヴォクほどではないですが、選択肢が提示できているのは良いポイントです。
出典:ホンダ技研工業
エアーを最初みた時は、とても細部まで丁寧にデザインされており、
デビュー時のHPからホンダの気合を感じる物になってました。
細部まで丁寧にデザインされたシンプルな無印良品みたいなコンセプト、
なのですが、エアーに関しては残念ながら目を凝らしてみないとパッと見は商用車に見えます。(白色が特に)
リアの造形も縦配置になったブレーキランプや
四角い面構成でエアロも無い状態だとやはり商用車感強めです。
コミコミにすれば400万ぐらいになる家族の車なので、
商用車っぽい車を奮発して買うのはちょっと抵抗があります。
エアーは何か「分かる人に分かれば良い」というデザイナーの自己満足感を強く感じるんですよねー。
フロント・リアも腰高な感じで低重心のホンダらしくないですね。
という事でエアーは65点ぐらいかな。
スパーダに関してはこの社用車感がだいぶ薄まってます。
ただ、シンプルな無印良品に無理やり装飾した感じもあり、
エアーのクリーンなデザイン性を諦めてしまったようにも思えます。
フロントグリルなんかも面が合ってないし、
エアーを作った後、スパーダというグレードをなんとか作ったというような気もします。
でもフロントグリルのデザインや配置で少し低重心感も出ており、
エアロもつけられるので、まあいかつくないミニバンを求めるなら
上品で社用車感も薄いのでいいデザインだと思います。
というわけでスパーダは75点ぐらいかな、と。
セレナ
こちらはVモーショングリルを未来的な装飾にしてモデルチェンジされてます。
ちょっと昔のエルグランドを彷彿とさせるデザインです。
出典:日産自動車
ただ、5ナンバーミニバンという細いフロントマスクで、
サイドまで回り込まないライトや中央にギュッと寄った造形のせいで横幅が小さく見えます。
そのせいで、なんとなーく車格が低く、安っぽく感じてしまいました。
先代セレナが5ナンバーミニバン史でも優しさや流麗さを感じる優秀なデザインだったため、
未来的でも無機質でキュッとしぼんだような劣化エルグランドのようなフロント造形は、ちょっと退化したという印象です。
という事でデザインは60点ぐらいですかねー。
使い勝手と走り
ノア・ヴォクシー
使い勝手に関しては流石のトヨタで、ぬかりなし。
3車のなかで唯一シフトレバーを残してるのも好感高めです。
ハイブリッドじゃないやつはストレートタイプですが、
ハイブリッドはプリウス式のわかりにくいヤツです。
プリウスの誤発進の原因の温床だと思うのですが、カタクナにトヨタはこのシフトを推してきますね。
3列目シートの格納は両サイド跳ね上げですが、
かなりコンパクトに収まるよう工夫されており、
個人的にはステップワゴンの床下格納と同等以上の使い勝手と感じます。
あとはスライドドアが開いたときにステップが自動的に出てくるというのも、
小さい子供がいると嬉しい工夫ですね。
走りに関しては可もなく不可もなくのようで、加速力はステップワゴンには若干劣るようです。
ステップワゴン
ハニカムメッシュのエアコン吹出口は、使いやすいみたいですけど、
デザイン的にはちょっと安っぽくて好きではありません。
普通ダッシュボード周りって横基調が多いですが、
このハニカムメッシュはその統一感には異物なんですよね。
シビックみたいなスポーツ感があるならまだしも、ミニバンだとチグハグで安っぽさしか感じません。
シフトレバーは廃止して、ボタンが縦に並ぶ方式になりました。
個人的にはシフトレバーの方が直感的と考えており、あまり賛成派ではなく、
コストダウンやデザイン優先のメーカー都合と解釈しています。
ファブリックなどをうまく使ってリビング感があるものの、全体的にちょっとプラスチック感が強めで安っぽさを感じてしまいました。
先代モデルにあったわくわくゲートは廃止されてます。
最大の特徴だったのに残念。
デザイン的に抵抗のある方が多かったと聞きますが、
分割線をもう少し工夫して目立たなくするとかして残してほしかったです。
アシンメトリーなデザインは機能美を感じてましたし、使い勝手もなかなか良さそうだったのですが。
3列目シートを少し高めにして視線を通すことで車酔い対策をしているそうです。
ただ私は3列目をそこまで重視してないので、あまり刺さらない特徴ですが。
走りに関してはノアヴォクより良いみたいですね。
多分3台の中で一番良さそう。でもそこじゃないんですよね、5ナンバーミニバンって。
セレナ
内装、特にインパネは一番キレイにデザインされており、好感度高めです。
ただし、こちらもボタン式のシフトで、まああまり好印象ではないですが、
これだけコンソールパネルをキレイにまとめてると、シフトレバーを廃止たくもなるかなーという気もします。
リアハッチが窓だけ開くのはセレナの美点で、
狭い駐車スペースでもリアハッチを開けずに窓だけ開けて、とりあえず荷物を放り込めるので便利です。
シャーシ周りは先代セレナの使い回しらしく、
乗り心地やスペース効率はライバルに少し劣るという事みたいです。
まとめ
ノアヴォクシーは、さすがトヨタという使い勝手を用意。
見た目もアクの強いヴォクシー、普通派のノアとうまく棲み分けができてます。
まあノアも今回は少しアクの強い見た目なので、穏健な見た目が好きな人には選びにくいですね。
ただ、弱点らしい弱点もなく、充実した使い勝手とメーカーのブランド力で、
私の好みは置いておいて、3車種の競争で圧倒的なシェアを取っていきそうです。
ステップワゴンはサイズも大きくなっており、デザインも自信ありというのが伝わってきます。
これでオデッセイもカバーできると考えたようですが、車格がやっぱり違いすぎて狙いは大外れでしたね。
そもそも昔はエリシオンやレジェンド、インスパイアやアコードといった上客向けの車を作ってたのに、
そこそこ売れてたオデッセイを放棄した事で、完全にN-BOXとフリードのコンパクトカーのメーカーになりました。
ホント、アコードやオデッセイを販売しなくなったのは失策も失策で、
むしろステップワゴンの売れ行きにも悪影響を及ぼしている気がします。
スズキとかが大きめ普通車を売る時、ブランドイメージがコンパクトカーイメージなので苦労しているので、
一朝一夕で離れた上客は帰ってこないわけですよ。
日本でのブランド力を完全に落としてしまっており、北米で売れれば良いと考えているようですが
しかし、優秀なエンジニアや営業さんが今のホンダでやりがいを感じられるか、
そういった目に見えない悪影響がじわじわ出そうな気もしてます。
ああ、ステップワゴンの話でしたね。
床下に収まる3列目ぐらいしか刺さる特徴がなく、わくわくゲートも廃止。
ブランド的にはトヨタに劣る(特に高額車ユーザー層が離れているホンダは厳しい)し、
ステップワゴンを選ぶ理由が薄い、って事で実際台数も伸び悩んでるようです。
最後にセレナですが、プラットフォームを先代のまま見た目を中心に変更したという印象が強いです。
個人的には先代セレナのデザインがとても良いデザインだと思うので、
今回のデザインはかなり残念ポイント。
でもグラスハッチはすごく便利だし、
e-Powerのシンプルなハイブリッド機構やプロパイロットなどが充実しているので、
このあたりが刺されば選ばれる商品力はありそうです。
ただ、やっぱりもう少し全体的な進化も期待したかった所で、そのあたりは残念なポイントです。
で、結局私は5ナンバーミニバン(といってもすでに5ナンバーではないのですが、まあジャンル的にこう呼びます)で
何を買うか、となるとノアになりそうかなーという感じ。
ステップワゴンのスパーダも良いのですが、
今のホンダが好きになれないしイメージ的にトヨタのほうが不具合とかあってもちゃんと対応してくれそうな気がしてます。
セレナは設計の古さがやっぱりちょっと気になりますしデザインも今回はパス。
ということで5ナンバーミニバンの競争、この世代でトヨタの一人勝ちになりそうな予感がします。
まあ、次回買う車候補の有力候補はノアということで。
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