オデッセイ購入レビュー【動力性能編】
さて、前回はオデッセイの外観についてレビューでしたが、今回は走りの面について。
走りにこだわるホンダの低床ミニバン、その実力はいかに?!

出典:本田技研工業
動力性能
2025年時点の現行モデルは「e:HEV」というハイブリッドモデルしかないため、
私が所有している2021年のガソリンモデル(4WD)とは、走りの印象がかなり異なる点はあらかじめご了承ください。
まずは基本スペックから。
エンジン・・・・排気量2.4L ターボなし
AT方式・・・・・CVT
駆動・・・・・・4WD
タイヤサイズ・・ 225/50R18
回転半径・・・・5.4m
燃料タンク ・・・50L (FF車は55L)
となっています。
2.4LのNAエンジンに重たい車体という組み合わせのため、特に低速域ではトルク感が薄く、正直かなり物足りません。
加速自体はスムーズではあるものの、アクセルを踏んでも発進が鈍いです。
この点、ハイブリッドなら解消されてそうで、正直うらやましいところ。
ステアフィールはファミリーカーにしてはやや重めのセッティングらしく、
A5SBやランエボなどと比べても違和感は少なく、「スポーツミニバン」を目指したコンセプトが感じられます。
パドルシフトがあるのも良くて、減速時のシフトダウン操作がしやすいです。
ただし、エンジンブレーキの効きはかなりマイルド。
CVTのせいか、車重のせいか、セッティングのせいかは分かりませんが、もう少し効いてもいいのになーとは思います。
それから、この車格で最小回転半径が5.4mというのはかなり優秀。
特に車庫入れでメリットを感じます。Uターンもしやすそうですね(そんなに頻繁にはしませんが)。

足回りとハンドリング
足回りは
フロント:ストラット/リア:トーションビーム
となってます。
リアがダブルウィッシュボーン式のアルファードと比べて「イマイチ」と言われたりもしますが、
個人的にはサスペンション形式よりも、バネの硬さの方が影響大きいんじゃないかと思ってます。
目隠しして後席に乗せられて、サス形式を当てられる気はしませんし。

2014年のデビュー当初は“スポーツミニバン”として、かなり硬めのセッティングだったそうですが、
マイナーチェンジを重ねて、ようやく乗り心地の良い足回りになったとのこと。
この2021年モデルでは、不快な硬さはほとんど感じず、
後席に乗る妻も子どもも満足しているようです。(まあ、子どもは小さいのでよく分かってないかもですが)
ハンドリングについては、センタータンクレイアウト(燃料タンクを床下配置)による低床設計と、
全高を抑えたボディ構造の効果で、カーブでの安定感がかなり優れています。
着座位置や乗降性も低めに抑えられていて、運転が非常に安定しています。
そのおかげか、車酔いしにくい車だと思います。
このあたりは“見晴らし”を重視したアルファードと、設計思想が違いますね。
どちらが良いかは本当に好みの問題でしょう。
高さが抑えられているおかげで強風でも安定感があり、
私の住んでる地域の、山から下りてくるナントカおろしみたいな風でも運転しやすいです。
それでいて、室内の高さもある程度しっかり確保されており、非常にバランスの取れたミニバンだと感心します。
……が、4WDモデルは車高が20〜30mmほど上がってしまうのがちょっと残念。
横に並べなければ気づかないレベルではあるんですが、タイヤとフェンダーの隙間感が気になります。
正直、雪道でこの20mmがあってもスタック回避できるシーンってほとんど無いと思うので、
常識的な車高の範囲で、FFと同じ高さにしてほしかったところです。
燃費
燃費ですが、高速燃費がすごく伸びやすく町乗り燃費とかなり差が出やすいです。
町乗り10㎞/L、高速14㎞/Lぐらいの差があります。
私の住むのは郊外なのでまだマシですが、都市部だと9km/Lを切るかも。
寒い時期は燃費が悪くなる気がしていて、冬は9.5km/L、初夏は10.5km/Lくらいの違いが出ています。
まだ夏の燃費はちゃんと測ってませんが、エアコンの影響かもしれません。
低速トルクと市街地燃費の両方に弱点があるので、
この弱点をカバーできるe:HEVはかなり相性の良い組合せのように思います。
(降雪地帯じゃなければe:HEVにしたんですけどね……)

あと、4WDモデルの燃料タンク容量が50Lしかないのもちょっと残念。
航続距離が400kmくらいで「ピコーン」とガソリンランプが点灯しちゃいます。
この点から見ても、「e:HEVのオデッセイ、最高かよ」と思ってしまいます。
サイドブレーキが足踏み式なのもガソリンモデルならでは。
e:HEVは電動パーキングブレーキになってるんですよね。
私はオートホールド機能をあまり使わないので、方式自体はどちらでもいいのですが、左足を置いてるあたりにサイドブレーキペダルがあるのは、ちょっと邪魔でイヤだったりします。
ちなみにe:HEVの電動パーキング、操作感が逆(押してON・引いて解除)なのも若干マイナスポイントかなと。
アイドリングストップ機能も付いていて、多少は燃費に寄与していると思いますが、
踏切のような短い一時停止でもすぐ止まってしまうのは使いにくいです。
アクセルの踏み込みで制御されてはいるのですが、かなり敏感で、頻繁にエンジンが止まってしまうんですよね。
しかも再始動時の振動がけっこう大きいのも気になります。
安全装備系
安全装備はホンダセンシングが装備されてます。
レーンキープアシストは、白線をはみ出しそうになると軽くハンドルを補正して、車線の中央に戻してくれます。
ただ、キープレフトで細い道を走るときにはわりと干渉してくるので、邪魔に感じる場面も多いです。

車間キープ、オートクルーズは時速65㎞以上の機能なので長距離運転では便利なのですが、最近のアイサイトX等に比べると一世代昔の運転アシストって感じ。
前方車両が発進したときに「ピーッ」と教えてくれる機能は、まあまあ便利です。
サイドミラーに小さい警告灯がついており、
斜め後方死角に車がいると点灯してくれます。これはちょっと便利そう。

障害物センサ類は便利で、駐車場なんかではかなり役立ってます。
まだ乗り始めたばかりなので、どれくらいの余裕度なのかはもう少し使ってみないと分からなさそうですが。
バックカメラだけでなく、360度カメラ(アラウンドビューモニター)やフロントタイヤ付近の死角用カメラ、
交差点の左右を表示できるカメラもあり、ウィンカーレバーのボタンで画面表示できます。
それなりに便利そうに思ってたんですが、結局バックカメラぐらいしか使ってないですね、、、。
あとカメラの映像はかなり解像度が悪く、この点は改善して欲しいポイントと思います。
ヘッドライトは基本オートで、OFF固定にはなりません。
ポジションランプは常時点灯で、消したかったら一時OFFにできるという操作です。

まとめ
という事で動力編でした。
エンジンパワーや燃費に不満はあるものの、
ハンドリングや風の影響の受けにくさはたぶん現行ミニバンNo1ではないでしょうか。(勝手な推定)

低さについて、走るのが楽しいだけではなく、
乗ってる人がカーブや強風でも揺れにくいという意味では快適性能でもあるんですよね。
後席を気にせず運転しやすいというのは、長距離でも疲れにくいという大きいメリットです。
ホンダはこの辺の宣伝が全部「走る喜び」とかに集約しちゃうんで
奥様方の心をつかみにくいので、もう少し宣伝文句のアプローチを考えた方が良いんじゃないかと思ったり。
そういう面も含めて、ちょっと惜しいクルマだなぁと感じます。
さて、次回は「内装・使い勝手編」です。お楽しみに!

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